信頼関係を築くための5つの要素

信頼関係のある職場風景

職場の人間関係の最上級は「○○さんについていきたい!」というセリフに表れます。上司であれば、そう言ってもらえるような人間で在りたいですね。

マネジメントする上で、部下に信頼されるという要素は絶対不可欠です。信頼は日々の積み重ねで獲得するものであり、積み重ねを疎かにしなければ、確実に関係を築けていけます。

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信頼関係とは

信頼関係とは「信頼して信頼される関係」を指します。お互いを信じて行動できるため、無駄な時間が発生せず、ゴールまで最短でたどり着くことが出来ます。

信頼が発生していない関係では、組織に不要な『疑念』が生じやすくなります。疑念とは「その指示はあっているのか」「そのセリフには何か裏があるのではないか」という相手への疑いです。

仕事に取り掛かる際に疑念が発生している場合、疑念の解消に時間がかかるため無駄な時間が発生し、ゴールへの進捗も遅くなります。さらに、疑念が発生している状態は行動量や速度、集中力も低下するため良い成果が生まれにくくなります。

信頼構築のための5つの要素

米国の心理学者であり大ベストセラーであるロバート・チャルディーニの著書「影響力の武器~なぜ、人は動かされるのか」のなかで、信頼を得るためのすべての要素は網羅されています。

『専門性』『返報性』『コミットメントと一貫性』『人的魅力』『権威』の5つの要素を理解し行動に繋げることで、誰でも信頼を獲得できます。

1.専門性

部下の信頼を得るうえで、最も基本的かつ重要な要素が専門性です。業務遂行する上で、成功するのに重要なファクトを抑えていることや、誰よりも過去現在未来の市場動向を抑えていることなど、知識を圧倒的に持ちましょう。

それを他者に伝えることが出来るアウトプットの能力も必須です。伝達能力が低ければ、部下に専門性を認識してもらえません。

専門性を常に磨き続け、まずはその道のスペシャリストになることが信頼獲得に繋がります。

【専門性のチェックポイント】
・専門性について自分で意識できているか
・週単位で自分の成長を実感できているか
・社内外問わず専門性の高さを評価してもらえているか
・専門性の高いネットワークを社内外に構築できているか
・議論になった際に感情的にならずに納得感を抱かせているか

2.返報性

返報性は「受けた恩は、返したくなる」という人間の心理に基づいた心得です。結果に対する給料や役職などは最もわかりやすい返報性の表現になりますが、それだけではありません。

  • 部下の課題や悩みに対して素早くアプローチして解決しているか
  • 面談を大切にし、フィードバックを与えられているか
  • 素晴らしい行動をした部下を即賞賛し、周囲に伝えているか

といった一連の行為も、返報性につながる行為として重要です。

また、信頼関係を築くためには相手に関心をもってもらう必要があり、そのためにはこちら側から関心を持つことで返報性が働きます。

「2年かけて相手に自分へ関心を向けさせる努力をするよりも、2ヶ月かけて相手に関心を持ち続ければ、より多くの友ができる」byデール・カーネギー著:人を動かす

【返報性のチェックポイント】
・相手への関心を持てているか
・迅速な賞賛、他者への尊敬を行動で示せているか
・相手に求めていることは自分自身がしっかりできているか
・目標をあたえ目標を達成した際に予定報酬を与えられているか
・部下の課題や悩みに対して耳を傾け助言する時間をとれているか

3.コミットメントと一貫性

朝令暮改という言葉があるように、上司は常に昨日言った事を今日ひっくり返します。そして、それ自体は決して悪いことではありません。

大切なのは目指している目標に対して、軸ブレせずに部下を導けているか否かです。

また、一貫性という観点では「部下の意見に左右されない」ということも大切です。あなたの一貫性を保ちましょう。

【一貫性のチェックポイント】
・言行一致、有言実行が果たせているか
・自分が大切にしているコトを伝え続けているか
・約束を守れているか、約束を忘れることはないか
・新しい行動を促す際、背景を伝えて一貫性を伝えられているか
・他責にせず自責からくる発言や行動をとり続けていられているか

4.人的魅力

人的魅力は、多様な人材から信頼を得るために欠かせない要素です。誠実、勇気、正義、勤勉、マナー、モラルといった人格主義を大切にすることで人望を得られます。

もっとも低レベルな行為は自分以外への悪口や文句であり、自分レベル以下の人と同調することです。一見は正義に見える文句や主張も、人的魅力を損ない続ける下劣な行動です。

人的魅力は習慣から生まれ、常日頃からインサイドアウトの発想をもつことも大事です。

インサイドアウトとは『自分自身の内面を変えることから始める』ということです。自分が変わらなければ、周りが変わることは決してありません。インサイド・アウトの気構えこそ人的魅力を高め、周囲を変える唯一の施策と言えます。

【人的魅力のチェックポイント】
・礼儀とモラルを大切にできているか
・見返りを求めず他者に与え続けていることが出来ているか
・誠実であり、嘘や陰口を良しとしない文化を好めているか
・ポジティブに振る舞い相手に合わせたユーモラスを持てているか
・間違いを認め時には謝罪を伴う自身の行動変化を選択しているか

5.権威

権威とは、尊敬と恐れの2種を兼ね備えていることばです。「あの人の言うことは正しい(正しそう)」といったある種無言の強制力が働くちからを、権威と呼びます。

「虎の威を借る狐」という言葉があるように、権威は第三者話法や外見・外面だけでもつくれることが大きなポイントです。

  • 1.外見(制服、髪型、表情、姿勢等)
  • 2.付き合っている人間(専門性の高い人物と友達等)
  • 3.評価(あの方が〇〇と言っていた)
  • 4.地位(代表取締役、部長等)
  • 5.実績(××コンテスト金賞、●●全国1位等、資格)

手軽に権威を持てるのは、「外見」と「付き合っている人間」であり、まずはそこから心がけてみるのも効果的です。

【権威性が高いか否かのチェックポイント】
・チームを超えて影響力を発揮できているか
・見た目や雰囲気を良くする努力を行えているか
・社内的に地位のある人物と交流を持てているか
・社会的に地位のある人物と交流を持てているか
・権威が認められているコミュニティや会合に参加したことがあるか

信頼の基本は「当たり前」から積み上げる

ここまで非常に細かく信頼の得方を書きましたが、その内容を別角度で描けば、実はとっても当たり前の行動で信頼は獲得できます。

  • ・すぐにレスポンスする
  • ・人のせいにしない
  • ・部下の悩みや課題に向き合う
  • ・嘘をつかない
  • ・自分も成長する

まずは上司として人として、当たり前の行動を当たり前にとり続けましょう。

結果が一番

信頼関係を築くための5つの要素、これら全ての要素を持っていたとしても、結果を出せない上司は最終的に見限られてしまいます。

5つの要素に気をつけながらも、結果を出すことに心血を注ぎ、結果をだせる部下育成にフォーカスできる上司で在り続けましょう。

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